自分の目
2005/01/17
地震が起きたとき、
海の上にいた。
朝一番のダイビングが
終わって、その日 2回めの
ダイビングを開始しようと
していた矢先の事だった。
地震がセンターから
各シップへ一斉に、無線で
地震発生が 告げられ
同時に、ウェイティングがかけられた。
日本人観光客には、
刻一、最新の情報を伝えた。
そして、地震発生の午後、
ほとんどの旅行客が帰港した。
翌日、残った中国からのお客への
対応を終え、帰港すると
港が、なくなっていた。
桟橋を除いて、すべて。
見てはいけないようなものが
そこには あった。
地震当日は、それ以上の
すごさだったのだろう。
電話は、40回に、1回は
繋がるようになっていた。
また、ピピとも連絡が
やっと、取れた。
オフィスへ戻ると
ファックスが届いていた。
日本から今回のツアーに参加された
お客様から。
「地震が発生したからと言って
海へ入れさせなかったのは、そちらの
個人的な判断によるもの。 また、
港に、帰港して、送迎のための
パトンへのクルマを待っていたが 遅れた。
貴社の対応は、どうなっているのか?
したがって、ツアー代金の返金を求める。
本日中に、ファックスにて返答を求める。
納得のできる説明が頂けないなら、
日本に帰ってからも、徹底的に闘います!」
との、ファックス。
こちらは、やっと、ピピのスタッフが
全員無事で、ホッとしたのと同時に
この津波がもたらす二次災害に対して
恐怖を感じているところだった。
丁重に、ファックスをホテルへ送った。
数日後、日本から Eメールが届いた。
「あの時は、あのようなファックスを
御社に 流して、申し訳ありませんでした。
この事件の重大さに気づいたのは
日本へ戻ってからでした。 ………。」
日本のテレビや新聞を見ないと
気がつかないのか?
タイでは、テレビで ずっと やってたぞ!
機内で受け取った新聞も見てないのか?
それより何より、、私自身が、あなたに
現在、津波により何千人もの被害そして死者が
出ています。その中には、多数の日本人も含まれてます。
そして、その災害は、世界的にもトップニュースです。と
伝えていただろう ?!
きっと、
自分の目に入った現実を
理解できなかったのだと思う。
津波で建物が、消えて無くなっていても
木々の中に、たくさんクルマが転がっていても、、…。
その人が、やっと 現実に気がついたのは
日本に帰って、マスメディアの情報を受け取ってから。。
自分の目に入った現実の情報よりも、
日本に帰って、マスメディアの発する情報を信じるのは
おかしな話 。
きっと、視界に入っても、見てなかったのだろう。
でも、それは、
国境をダイレクトに接していない日本で生活してると
世界の戦争や事件が、他人事に見えてしまう状況は
直接ふれあうことがないから
仕方のないことかもしれない。
しかし、
もっと、
「くだらないメディア」より
「一番信頼できる自分の目」 を
大切にしてください。
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当時の
切実な感情 そのままに
記録 記憶 として 残して います 。
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